那須の隠れた名所!知られざる大麻の世界へ【大麻博物館】

スポット

みなさんは「大麻」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?

ドラッグ・薬物のイメージが強いなあ…。

使ったら逮捕されちゃうんじゃない?

このようなイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

しかし日本において、大麻は古来から繊維素材や農作物として利用され、人々の生活と密接に関わっていました。

那須にある「大麻博物館」を訪れれば、大麻に関する偏見を取り払い、知見を広げるきっかけになるはずです。

植物・農作物としての大麻

大麻といえばドラッグ・薬物のイメージが強いと思いますが、実は大麻は、日本では古来から人々の生活に密接に関わってきた植物のひとつ。

もともと日本では繊維素材や農作物として利用されており、薬物として認知されるようになったのは、アメリカ文化が流入した1960年代以降のことです。

古来より大麻は米と並ぶ主要作物として栽培され、人々の生活と密接にかかわってきました。

その証拠に、仏像や着物の柄にも使われる日本の伝統的な模様「麻の葉模様」は大麻の葉を表しています。

麻の葉は丈夫ですくすく育つことから、この模様は無病息災や長生きを願うゲン担ぎとして使われてきたそうです。

麻の葉模様。人気漫画「鬼滅の刃」で主人公の妹・禰󠄀豆子が着用している着物もこの柄。

また、伊勢神宮で配布されるお札は「神宮大麻」と呼ばれ、各家庭でお祀りされています。

紙製ですが、ご祈祷に使った大麻繊維を清らかな紙に包んで祀ったことが始まりです。

神道において大麻は穢れを拭い去る力を持つとされ、重要な役割を持っていました。

「大麻」と聞くと薬物をイメージしてしまいがちですが、植物・農作物、神様へのお供えとしての歴史のほうがずっと長いことがわかります。

日本における植物としての大麻

アサ科アサ属の一年生の草本。

他の作物にくらべ肥料も少なく、一年生植物で収穫が早いことから、農家にとっては重要な農作物であった。

繊維は麻繊維・麻布に加工され、衣類として使用されていた。弥生時代の吉野ヶ里遺跡からも発見されており、古来から布として使用されていたことがわかる。

また、種は食用にされていた。現在でも種は「麻の実」として食用に供されており、七味唐辛子に含まれるカリッとした粒がそれである。

大麻博物館の館内の様子

「大麻博物館」は、那須街道から一本小道に入ったところにひっそりと佇んでいます。

館内に入ると、大麻に関する歴史や解説が書かれたパネルが展示されています。

薬局でよく見かける漢方や、七味唐辛子に入っている麻の実など、大麻が私たちの生活に身近な存在であることがわかり、とても興味深かったです。

館内には大麻に関連する物品も展示されていて、お土産として購入できるものもありました。

お土産に大麻博物館オリジナルTシャツを購入しました!

栃木県と産業用大麻の関わり

大麻博物館の館長・髙安さんのお話を伺い、栃木県が産業用大麻の国内最大産地であることを初めて知りました。

県独自に開発された無毒性品種「とちぎしろ」は、鹿沼市を中心に栽培されています。

かつて衣類や漁具に使われていた産業用大麻も、化学製品や外国産の影響により需要が減少し、生産者は激減。後継者不足も深刻です。

そんな中、栃木県内では麻の新たな活用法として、麻製の紙や建材の開発が進んでいます。

県内の伝統産業を守る活動から今後も目が離せません!

施設情報

施設名大麻博物館
場所 栃木県那須郡那須町高久乙1-5
営業時間月火金 13:00~18:00
土日祝 11:00~19:00
定休日水曜・木曜
TEL0287-62-8093
公式HPhttps://taimahak.jp/
※2024年9月現在

駐車場完備、入場無料。

館長執筆の書籍やオリジナルグッズはオンラインショップでも購入できます。