明治維新から大東亜戦争まで【那須の戦争博物館】

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那須の「戦争博物館」をご存知ですか?

明治維新から建軍、大東亜戦争の開戦から終戦に至るまでの貴重な資料・物品を展示しているこの博物館は、私的なコレクションだけが集められた民間の戦争博物館。

今回は、那須の隠れた名所である「戦争博物館」をご紹介します。

那須・戦争博物館とは?

那須にある戦争博物館は、元軍人の栗林白岳(くりばやし・はくがく)によって設立された民間の博物館です。

15,000点にものぼる膨大なコレクションを展示しており、当時のことがよくわかる貴重な資料を見ることができます。

この博物館には国が関与していないため、国に縛られない自由な発言・展示ができるのも大きなポイント。

教科書に載っている歴史は本当なのか・・・?

マスコミが語る戦争は真実なのか・・・?

それらを自分の目で確かめることができる貴重な資料が、数多く展示されています。

初代館長・栗林氏はすでに亡くなられていますが、2代目館長・本里 福治氏がその意思を継いで運営されています。

名誉館長・栗林白岳について

戦争博物館の初代館長で、亡くなられた後は創立者・名誉館長として名前が残されている栗林白岳氏。

毎年の終戦記念日には、軍服に身を包んで靖国神社を参拝していたことでも知られています。

栗林氏は14歳で義勇兵として満洲に渡り、日本軍の敗戦後はシベリア抑留を経て帰国した経歴を持ちます。

終戦後は事業を興すも失敗し、二度の失踪を経て、昭和55年(1980年)那須に戦争博物館をオープン。

自身が集めたコレクションを展示し、戦争の惨禍を後世に残すべく奔走しました。

開館当初は200点だった展示品は、遺族からの寄贈などもあり現在ではおよそ15,000点にまで増えています。

栗林氏は館長として、そして戦争経験者として戦争博物館に立ち続け、ときには来館者と話をすることもあったようです。

もう何年も前になりますが、当時小学生の私に(他に来館者もいなかったので)栗林館長は博物館の中の展示品全てを丁寧に説明してくださり、展示しきれていない貴重な資料まで見せてくださいました。戦争や軍事の歴史に興味があり自衛官への憧れを抱いていた小学生の私にとって夢のような時間でした。
栗林館長のご冥福をお祈りすると共に、素敵な出会いに心から感謝しております。

引用:GoogleMap

栗林氏は平成31年(2019年)3月に91歳で亡くなりましたが、その思いはいまも戦争博物館で生きていることでしょう。

戦争博物館の見どころ

博物館の敷地内では、軍歌が流れていて物々しい雰囲気です。

受付で入場料を支払い、入場券とパンフレットを受け取ります。

受付の女性が見る順番について親切に案内してくださいました。

戦争博物館は、屋外展示おもかげ展示室陸軍館海軍館の4箇所に閲覧場所が分かれています。

初めに、屋外展示から見て行きます。

屋外展示

屋外には、戦車や航空機、銃弾などが展示してあります。

受付の手前に、97式中戦車「チハ」アメリカ製零戦航空機エンジンがあります。

戦車は、平成17年に三浦市南下浦町金田の雨崎海岸の傾斜地から突然出現した物です。それを当時の館長栗林氏が引き取り、戦争博物館に展示しました。

展示されている戦車や航空機は、どれも大きくて迫力がありました。どうやって、ここまで運んできたのだろうかと疑問にも思いました。

駐車場の奥に池があります。ここには、昭和天皇が愛したアヤメが全面に植えられています。

現在絶滅危惧種のヒオウギアヤメも5株程植えられています。

6〜7月に開花する様です。訪問した時は12月だったので、残念ながら見ることができませんでした。

おもかげ展示室

次に、おもかげ展示室を見て行きます。

ここには、幕末〜明治〜大正〜昭和に使用されていた、家電や家具が展示してあります。

ドラマや映画で観る様なレトロな商品がたくさん置いてありました。

陸軍館

次は、陸軍館を見て行きます。

展示品の数に驚きます。民間の博物館でこれだけの品を集めるのは、相当大変だったと思います。

当時の軍人が着用していた軍服軍帽が展示してあります。

マネキンにちょっとびっくりしました😅

他にも、戦時中の写真や新聞、機関銃など教科書で見たことはあっても、実際に見たことがない物がたくさん展示されていました。

海軍館

最後に海軍館を見て行きます。

海軍館には各国の国旗が吊るされています。

陸軍館と同じように、当時の軍人が着用していた軍服の他に、飯盒や鉄兜も展示してあります。

アメリカの爆撃機、B29の主脚です。

令和2年12月に木更津沖に発見された物が、こちらに展示してあります。

護衛艦「秋月」の模型です。

創立者栗林氏が義勇兵として渡満する際の写真も展示されています。

栗林氏のメッセージなのか、所々に掲示されている文章が印象的でした。

戦争のリアルな歴史や教訓を学べる戦争博物館は、戦争を知らない若い世代に平和の尊さを伝えてくれます。

小中学生は無料なので、お子様と歴史について一緒に学ぶ良いきっかけになると思います。

那須を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

戦争博物館の情報・アクセス

店名戦争博物館
場所 栃木県那須郡那須町高久乙2725
営業時間[4月~9月]9:00~17:00
[10月~3月]9:00~16:00
定休日不定休(公式HPで要確認)
TEL03-5396-7899
観覧料大人(高校生以上) 1,000円
小中学生(小学生未満は無料)500円
公式HPhttps://www.sensouhakubutsukan.or.jp
※2024年1月現在

那須ICから約12分、那須のメインストリートである那須街道沿いにあります。

無料駐車場を完備。

バスでお越しの場合は、那須黒磯から那須湯本行きに乗って約30分、「守子阪」というバス停で下車して正面にあります。

休館日は公式ホームページに掲載されているので、事前に確認してから伺いましょう。